3日目
朝からタクシーで移動。
実は前日にタクシーを手配しようと思ったら、
「カウンターは14時からしか空いてないから、来ても誰もいないよ。チェックアウトの鍵はカウンターに置いておいてね」
と言われたので、そうしようと意気込んでカウンターに向かうと、普通に人がいた。
「カウンター空いてるじゃん!!」
と思ったが、そのままタクシーに乗って移動。
目指すはタンジャーヴール。世界遺産、ブリハディーシュワラ寺院のあるところ。
途中で、花びらを撒き散らしながら太鼓を叩いている人たちを見かけた。
結婚式か何かか? と思って、引っ張られている車の様子を見てみると、中に人が横たわっている。明らかに生気が無い様子。
という事はこれは葬式?
葬式で、花びら撒き散らしながら太鼓を叩いて踊る?
日本の感覚と真逆だったのでこれはびっくりした。
どういう儀式なんだろうか?
タンジャーヴールに着く。
クンバコーナムと比べたら空気は澄んでいる。
暑いけど。
ブリハディーシュワラ寺院は、3つある世界遺産「チョーラ朝の寺院群」の中でも最初に登録されたもの。
成る程確かにその規模は2日目に観たダーラースラムよりかなり大きかった。
インドで二番目に大きいと言われるナンディー像が鎮座している。
一つの岩から削りとって作られているらしい。
ちなみに、マハーバリプラムにあったアルジュナの苦行もそうだった。
ここでも、本尊はシヴァリンガ。
ちなみに本尊では写真は取れない。
ここでも僧侶がマントラを唱えて火の熱気を浴びせてくれた。
異教徒に対しても割りとおおらかなのだろうと思った。
インドの観光地ってほとんどが寺院ばかりで貴族の住まいとかが無かったので、ここには期待していた。
しかし
「今、改装中だから王宮には行けないよ」
と言われる。
ショック!!
代わりに近くにある博物館をチラチラと見て回る。
次にティルチラパッリへ移動。
ここも汚かった。
ホテルへ荷物を置いて、ランガーナタスワーミー寺院へ。
タクシーの運転手がやたら高い値段を提示してくる。
「ランガーナタスワーミー寺院とロックフォート寺院に行ってくれ」
「分かった。往復で1000ルピーだ」
「1000ルピー!? 高すぎる」
「ランガーナタスワーミー寺院まで14㎞あるんだぞ?」
「じゃあ良い。他のタクシーに乗るよ」
と言ってその場を去る仕草を見せると、
「分かった800ルピーだ!」
「500!」
「700!」
というジョセフ・ジョースター的問答を繰り返し、結局700ルピーにした。
これでも現地人感覚で言うと高いと思うけど。
やたら話しかけてくる人が多くて、
ここも観光客慣れした土地なのかと思った。
その割には、インド人以外全く見かけなかったが。
ここは珍しくヴィシュヌ寺院だった。
ヒンドゥー教徒以外入れないところが多くて、早々に退散。
次に岩砦(ロックフォート)寺院へ。
ここはかなり段差が多くて疲れた。
入り口で入場券を切る人が、右手だけで入場券を切ってて、
「左手は何か怪我でもして不自由なのか?」
と思ったのだけれど、後で考え直すと、
(左手は不浄だから右手だけを使ったのかもしれない)
と思った。
ここの本尊はガネーシャ神だった。
高いところから街の全景が見渡せる。
ホテルへ戻る前にインドのスーパーみたいなところに行く。
ここはクーラーも効いてて綺麗だった。
輸入品っぽい置物が沢山置いてあって、かなり高かった。
ここでインドの民族衣装? ドーティーを買った。
ドーティーじゃなくてルンギだよ、と言われた。
白いのがドーティーで色が付いてたらルンギらしい。
ホテルでご飯を食べた。
ここの料理はかなり美味しかった。
インドの労働は傍から見てても効率の悪そうなものが多く、
日本だと1人でやっていそうな事を3人くらいでやっている。
その結果、暇になっている人が沢山いるのでレストランのウェイター等はやたらと話しかけてくる。
でも基本的にみんな良い人だった。
オーナーは従業員に厳しそうな人だったが。
キツくあたったり、尻を叩いたりしていてカースト? を若干感じた一面だった。
ウェイターの人に日本から持ってきたお菓子を渡した。
そういえばここでは初めてインドのビール(キングフィッシャー)を飲んだ。
インドではお酒を飲む事は割りと非奨励な事らしく、レストラン等では頼めないところが多い。
頼めるところでも、メニューには書いておらず、裏メニューとして存在する。
独特な味で割りと美味しかった。
ピルスナー系では無い感じの味。
4日目
朝9時にマドゥライ行きの列車のチケットを買いに駅に行くも、
次の列車は13時からだよ、と言われる。
しかし料金は一人65ルピー(100円)だった。
3時間電車に乗って100円という破格。
バスで移動しても良かったが、一度インドの列車を体験したかったので列車で行く事にする。
インドの駅は割りと綺麗だった。
ホームはここで良いのか? と色んな人に聞いていると、肌の色白目な裕福そうな(恰幅の良い)おじさんに話しかけられる。
「お前ら一般車のチケットを取ったのか? あそこはクーラー聞いてないからめちゃくちゃ暑いぞ。来い。予約できていなくても、適当に空いている席に座って後で料金払えば良いんだ」
と言われ、付いて行く。
どこが空いている席なのか一見して分からず、
「そこは私の席だ」
とインド人に言われまくるが、何とかして空いている席に座る。
これで良いのかよくわからなかったが、暫くして車掌が来たのでお金を渡したら本当にそのままでOKだった。おじさんに助けられた!
「おじさん……。優しいおじさんっっ……!!」
聞くところによるとそのおじさんはデリー出身らしくて、車の部品の発注関係の仕事をしているらしい。絶対富裕層だろうなぁ。
「どうして北インドに来ずに、南インドを旅行することにしたんだ?」
と聞かれたので、
「デリー周辺は治安が悪いと聞いたんだ」
と言うと
「そんな事は無い! デリー人も皆親切だぞ。デリー、アグラ、ヴァーラーナーシー、どこも素晴らしいところだ。今度来い! 案内してやる」
と言ってきた。
別れる時はあっさり別れた。
うーん、インド人、皆良い人である。
そのままマドゥライのモスクヴァホテルに行く。
このホテルはかなり綺麗だった。
サービスとしてフルーツジュースが振る舞われたが、氷が入っていたので飲まなかった。
インドでは氷は水道水から作られた危険が高いので飲まない方が良いと教わってきたのだ。
南インド屈指の寺院なだけあって物凄い活気だった。
面積もかなり広い。
カメラが持ち込み禁止で、金属探知機まで使われてチェックされたので内部の撮影はしていない。
寺院内は裸足で散策しなければならなかったのだが、かなり清掃されていたので、何かを踏んで痛いということは無かった。暑かったけれど。
でもやっぱり裸足で歩くと、「自分がインドに来た感」が増すので、裸足で歩くのは良いなと思った。
高い天井に彩られた極彩色の模様の下を裸足で歩くと、何となく古代インド人の感じた空間に身を寄せることが出来る気がした。
因みにインドでは寺院の外であろうと普段から裸足で暮らしている人が結構いた。
熱くないんだろうか……?
天井に描かれた鮮やかな色の蓮模様が綺麗。
天井もかなり高くて壮大。
中にはかなり背の高い象(肩高3.5メートルくらい)や水牛がいた。
水牛には綺麗な装飾と刺青が塗ってあって、最初置物かと思ったので、動いてびっくりした。
中では信者が五体投地をしていたりした。
一見すると何も無い方向に祈っていたのが不思議だった。
中には博物館もあった。
何故かそこでは写真を取って良いらしい。
回廊は綺麗だったが、そこ以外で写真を取るべきものはあまりなかった。
矢張りこの寺院は活気があった。
ドラヴィダ人のお伊勢さんのような場所なのだろう。
今までに観た寺院とは人の入りが段違いだ。
外に出てゴープラムを回る。
町並みは整頓されていて綺麗だった。
ゴミがほとんど落ちていない。
しかし、聖地なだけあって、客引きがかなりしつこかった。
要らないと行っても最低5回は聞いてくる感じだ。
この日まで友達と行動していたけど、友達はカンニャークマリに行くとかで夜行列車だかバスだかに乗った。
自分は帰国しなきゃ行けないので明日マドゥライからチェンナイへ戻る予定なのだ。
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