インド・タミル・ナードゥ州旅行記(1日目)

 インドに行ってきた。
 具体的にはインドのタミル・ナードゥ州をほぼ縦断した。
 インドは治安や衛生が良くないなどと言われているが、個人的にはそこまでとは思わなかった。

※:タミル・ナードゥ州はデリー周辺をはじめとする北インドよりは治安が良いらしいので、北インド行く人はより注意してくだされ。

 いわゆるインドが危ないと言われている理由を項目ごとに列挙し、実感を付記してみた。

交通:危険。横断歩道も信号も無いところを渡らないといけない。車もバイクも常時大量にやってくる。バスもかなり危険運転するので、乗っていても危険を感じる。

排気ガス:交通量が多いので。町中に排気ガスのにおいが充満している感じ。

砂埃:乾季のせいかもしれないけど、砂埃もひどかった。一番ひどかった街では、三輪タクシーで移動してると頬がザラザラした(それくらい砂が顔についてた)。

衛生環境:下痢はしたけど、腹痛には襲われなかった。あまり大したことない。その代わり屋台では一切食べなかったけれども。少し汚めなレストランでは食べた。値段に応じて衛生レベルが変化するらしい。自分は下限100ルピーくらいの店で食べた。

治安:全く危険は感じなかった。夜独りで歩いても問題はなかった。警戒していたけれども、誰かに付け狙われていると感じたことはなかった。勿論自分一人の場合を一般化はできないけれども。ただ、大きな寺院とか行くと客引きが非常に多い。でも無理やり引っ張られたりはしないので口で断るか、目線を合わせずに無視し続ければ(こっちの方が有効)、諦める。基本日本人相手には英語で話しかけてくるけど、「何イッテルカワカリマセーン」って顔しとけば相手も諦めるのでこちらも有効。

気温:日中40度近くになると聞いていたけれども、それほど辛くはなかった。帽子とうちわと水を持っていれば平気。ただバックパックを持ったまま歩くのは無理だなと思った。タクシーかホテルにおいてから行動するのが吉。

 治安と衛生環境の方を心配していたけれども、警戒するほどではなかった。
 一番危険だと思ったのは交通だった。
 信号も横断歩道も無く、ひっきりなしにバイクと車がやってくる。

「これは一体いつ渡れば良いんだ……?」

 と面食らって、呆然と突っ立ってしまう。
 常時赤信号のところを渡らないといけない感じ。
 計6日インドにいたけれど最後まで慣れなかった……。

 インド旅行一日目

 羽田空港からシンガポールへ。
 22時発の便。
 世界最高峰と言われるシンガポール航空を使用。
 シンガポール航空は午前2時くらいにご飯を出してくるので、

「一体何ご飯なのか?」

という疑問と戦わなければならない。
 シンガポール航空は映画が豊富らしいけど、とりあえず体力温存のために寝た。

 シンガポール着。
 乗り継ぎの便がいきなり3時間遅れ、出鼻をくじかれる。

「無敵のシンガポール航空で何とかしてくださいよぉぉ」

 って感じだった。
 よくみると、運行がSilkAirになっている。
 そのせいかもしれない。
 空いた時間で、一回シンガポールに出国しても良かったけど、眠かったので寝る。
 荷物も重いし。

 シンガポールからチェンナイへの飛行機。
 羽田出発時に見た大勢の日本人は消え、最早インド人がいるのみ。
 シンガポールからチェンナイへの直通便が出ているのはシンガポールにタミル人が多いからだと思う。
 シンガポールの公用語の一つにタミル語があるし。
 SilkAirの搭乗員は、シンガポール航空と比べるとちょっと強気。
 時間になっても座らないインド人に怒鳴っていた。

 現地時間12時。
 チェンナイ着。
 まずは両替所で日本円をインドルピーに変える。
 空港の両替所はレートが悪いと聞いていたのでまずは少額だけ両替しようとする。

「なんだ? これだけしか両替しないのか? もっと両替したらレートを上げてやるぞ」

 と両替所のおっさんに言われる。
 いきなりインドっぽい。
 少し悩んだが、そのまま同じ額の両替で通した。
 両替所でもらった金額がちゃんとあるか確認しようと思って念入りにチェックする。
 確かにちゃんとある。

「ふふん、俺はちゃんと確認する人間なんだ。旅行初心者とは違うぜ」

 と、得意げに空港を出ようとするも、パスポートが無いことに気付く。

 スーパーテンパる。
 しかし、両替所に忘れていたのを無事発見。事無きを得た。
 危うく、空港に着いて早々旅行が終了するところだった。

「インドに旅行してきたんだ。行ったところは、空港と……、総領事館かな」

 ってことにならなくて本当に良かった。

 色々あったが、無事? 到着。
 GoogleのCEOスンダル・ピチャイ、 MicrosoftのCEOサトヤ・ナデラをはじめとして数々のIT業界の大物を生み出し、かのスティーブ・ジョブズも憧れたと言われる大地!!

 それが、IT大国インド!!
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 IT大国インド!!
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 ・・・・・・。
 おかしい・・・・・・。
 あまり発展しているようには見えない。
 しかしよく見ると、上の写真、「7DX Theatre」と書いてある。日本の4DXを三次元分も上回っているのだ。
 流石IT大国。
 惜しむらくは、時間が無かったために、入場して7次元の世界を体感することができなかったことだ。

 気を取り直して、空港からタクシーを借りてマハーバリプラムまで行ってもらうことに。
 途中ティルカーリクンドラムというところに寄ってと頼むと料金は2500ルピーに。
 結構高い。
 ちなみに1ルピー1.6円くらいです。

 タクシーの運転手のおんちゃん
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 タミル・ナードゥ州の人は本当に色が黒い。
 黒人みたい。
 一応モンゴロイドらしいけど、あまりモンゴロイドという感じがしない。

 ティルカーリクンドラムに着いたが、寺院は閉まっていた。
 タミル・ナードゥ州の寺院は朝6時から12時まで開いていて、次は午後4時から午後7時くらいまで開いているというのが多い。
 ファンシーな色合い。
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 こちらはもう少し厳かな色合い。
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 寺院の中には半裸のインド人が沢山寝ていた。
 家の無い人が日陰を探していたのだろうか。
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 ここで沐浴場らしき場所に着く。
 これは何かとタクシーの運転手に聞いてみると、

「主宰神(イーシュヴァラ)だ」
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 と言っていた。
 沐浴場が主宰神?
 しっくり来なかったが、深くは掘り下げず。

 この街はかなり汚かった。(写真からだとあまり伝わりづらいけど)
 ゴミがそこら中に散らばっているし、牛や野犬の匂いもする。
 インド、とんでもないところだな、とこの時点では思った。
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そのままタクシーに乗り込んでマハーバリプラムに。
 ホテル、ママーラヘリテッジに荷物を置いて、ファイブ・ラタ、アルジュナの苦行、海岸寺院、クリシュナのバターボールを観に行く。
 ファイブ・ラタはマハーバーラタのパーンダヴァにあやかって名付けられた寺院。
 それぞれ、ダルマラージャ・ラタ、ビーマ・ラタ、アルジュナ・ラタ、ナクラサハデーヴァ・ラタ、ドラウパディー・ラタがある。(ラタは建造物?)
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 しかし、看板を読むと、「パーンダヴァ五兄弟の名前が付けられているが、関連性は全く無い」と書かれている。
 関係無いのかよ!
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 ここで外国人用見学料金500ルピーをとられる。
 めちゃ高い。元々250ルピーだったのに最近値上げしたっぽい。
 めちゃ高いと言っても800円くらいなので、日本換算だと普通の値段。
 因みにインド人は20ルピー。30円くらい。インド人料金が安すぎる。
 インド人と、外国人で料金が20倍くらい違うのはインドでは普通の模様。

 ここで見た海岸寺院とファイブ・ラタはかなり風化している様子だった。
 インド人も遺跡を雑に扱っている。
 象の石像の上に子供がまたがっていたりして、完全に「デパートの屋上遊園地」扱いだった。

 海岸寺院では、本尊を見るためには靴を脱がないといけない。
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 地面が汚かったが、そのまま靴を脱いで中に。
 本尊であるシヴァリンガが祀られていた。
 信者の人たちに混じってシヴァリンガの回りをくるくると回る。

 ここは観光地だからか、かなり人が多かった。
 オートリキシャー(三輪車タクシー)に乗ると、人とバイクとリキシャーの群れに突進してクラクションを鳴らしまくる。1秒間に2回くらいのペース。そこに牛と山羊と野犬が交じる。
 スーパーカオス。
 譲り合いの精神等はなく、ちょっと隙間があったらブオーンと前進。
 最早ギャグ漫画であった。

 インドの野犬。
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 野犬がいると聞いて割りとビビっていたけど、基本的に日中は暑さでぐったりしているし、そうでなくても人間を無視して歩いている感じだから別に怖くはなかった。

 ここで思ったんだけど、リクシャーの運転手は、「全部の遺跡を回って400ルピー」という風に料金を決める。
 その時、途中で降りて遺跡を回っても、待っている間に料金は増えない。
 待っている間に逃げられる、とか思わないんだろうか? と思ってしまった。
 観光地に行ったら、「相手を信用するな」というのは旅行者に説かれる訓戒だけれど、ここではタクシーの運転手が旅行者を完全に信頼していて、「そんなに信頼して良いのか?」と思ってしまった。
 ちなみにこの料金の払い方は、他のどの都市でも同じだった。
 先に料金を決めるシステムも良い。日本だと、渋滞してたという理由でいくらでも料金が増えてしまうからね。

 アルジュナの苦行。これは状態も良くてかなり大きかった。
 タクシーの運転手に「どれがアルジュナだ?」って聞いたら、「あれだ」って指指していたけど、「本当か?」と思ってしまった。
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この彫刻は「ガンガーの降下」であるという説もあって、結局のところ確実なことは何もわからないらしい。

 クリシュナのバターボール。現地で見るとかなり大きく、また不安定な足場に立っていたので、見ていてハラハラした。
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 途中、ムーンレイカーズという食い物屋で食事。
 途轍も無い量の食事が出てくる。
 二郎か。
 食いきれず残す。

 ホテルに戻る。
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 クーラー付けているのにかなり暑い。
 窓を開けっ放しにして寝た。
 虫に刺されてよく眠れなかった。
 蚊かダニかわからなかったけど、蚊の飛ぶ音を全く聞かなかったので、恐らくはダニだと思う。
 このホテル、三星なのに、クーラー効かないわ虫に刺されるわで微妙だなと思った。
 インドのホテルはこんなものかと思ったのだけれど、実はこのホテルはインド旅行中に泊まったホテルの中では一番低質だった。
 他のホテルはもっとガンガンにクーラーが効いたし、部屋も清潔だったのだ。

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